新会計基準、FRS 102の実施迫る Part 2

FRS 102について、前回は適応できる基準と、その条件について軽く触れた。今回は、適応周辺の条件などによって引き起こされている危惧や課題について言及しようと思う。

小企業向けの会計基準FRSSEが2016年には消え去り、Micro entities向けのFRS 105の条件に収まらなければ、FRS 102を適応しなければならない(ただしIFRS適応企業は除く)。しかし一方で、Small/Medium entitiesのスレッショルドは大きく上がる。この辺りで小規模企業や日本の英国子会社などで混乱を招いているようだ。

まず、Small entitiesのスレッショルドが上がるということは、監査対象企業のスレッショルドも上がることになる。2015年現在のSmall entitiesのスレッショルドは売り上げが£6.5m以下、総資産が£3.26m以下、従業員が50名以下、の3条件のうち2つを満たせば小企業となり、かつ法定監査の免除を受けられる。これらの数値が2016年以降は、売り上げが£10.2m以下、総資産が£5.1m以下、従業員が50名以下と、大幅に引き上げられる。従って、例えば売り上げが£8m、従業員が30名だった企業は2016年度以降は監査免除の対象となり得る。

しかしこれは在英日系子会社には大きなニュースとはならない。監査免除の可否は当該英国企業の所属グループ全体の大きさが対象である、つまり上記スレッショルドは、グループ全体の規模で判断される。そうなると、英国に進出している日系企業のほとんどはグループで見た場合このスレッショルドを超えてしまうであろう。

また、上記のようにスレッショルドが上がることとFRSSEがなくなることから、FRS 102適応で大きく負担が増えると危惧している経営者も多いはずだ。しかしFRS 102は2016年度から、セクション1Aという開示情報の減免事項を適応可能となる。逆にその危惧から、これまでFRSSEを適応してこなかった企業が、FRS 102適応を遅らせるために2015年 度のみあえてFRSSEにて決算書を作成し、2016年度からFRS 102に移行とした場合、両者の基準の違いから幾つか混乱する可能性のあるエリアが存在する。その最たる例はInvestment property、Intangible assetsそしてDeferred taxあたりだろう。これらについてはまた次回触れてみたい。
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