新会計基準、FRS 102の実施迫る part 1

英国の会計基準は大きな変換期を迎える。2015年1月1日以降にスタートした会計年度の決算書については、EU-Adopted IFRSもしくはFRSSEを採用している決算書を除き、FRS 102に移行しなければならない。FRS 102はIFRS for SMEs (Small and Medium Entities、つまり中小企業向けに簡易化されたIFRS)を元に英国の会社法Companies Act 2006に対応しつつアレンジされたものである。同時にFRS 101 Reduced Disclosureも施行、2016年にはFRS 105 Micro entities向けの会計基準も適応可能となる。なお、FRS 102にもReduced Disclodureと呼ばれるレジームが用意されており、FRS 101と混乱を招きやすい。

FRS 101はEU-Adopted IFRSを適応する会社で、かつグループ企業の子会社向けであり、そのグループが該当の子会社を連結した決算書を用意する場合に当てはまる。言い換えると、IFRSを適応しない会社や、グループ企業でも連結から外れる会社はFRS 101の対象外となる。FRS 101の目的は、英国内の企業でIFRSを自主的に適応する場合、これまではIFRSのフルバージョンを適応となっていたが、連結される会社の場合、そこまでの開示や詳細な会計処理の重要性が低いことから、その負担を軽減することを目指したものである。それに対してFRS 102 のSection Reduced DisclosureはFRS 102を適応する企業で、グループ企業で親会社に連結される場合などに当てはまる。基本的な概念はFRS 101と同じである。

2015年時点では小企業の基準は変更なく、これまでFRSSEを適応してきた企業はFRSSE 2015を適応可能で、2015年度の決算書には大きな変更はないと考えられる。しかし2016年1月1日以降にスタートする会計年度については、中小企業のカテゴリーを決める条件が刷新され、現状の「小企業」のスレッショルドは大幅に引き上がる。一方でMicro entityというカテゴリー向けの会計基準であるFRS 105が採用可能になる。ただしMicro entityのスレッショルドはこれまでの英国小企業よりもかなり低く、当てはまる企業はかなり少なくなるはずだ。これまでの「小企業」として扱われていた会社がいきなりFRS 102フルバージョンの適応で不必要な負担を背負うことを避けるために、新しいスレッショルドにおける「小企業」だがMicor entity以上でFRS 105を適応できない企業にも開示負担を削減したレジームが用意される予定だ。ただしこれは2016年度以降であり、2015年は適応できない。

また次回、もう少し新しい会計基準について触れてみたいと思う。
広告