真のプロフェッショナルを目指して

転職して初めの1週間が過ぎる。会社のソフトウェアやシステムを遊びながら慣れつつ、幾つか入ったリサーチやレポート等の仕事に早速手をつけた。一方で同僚たちと雑談をしたり、できるだけ昼食を一緒にとって情報交換をしたりと、会社の現状とクライアントの把握を意識した。もちろん1週間程度ですべてをつかめるわけはないが、自分が何を持ち込めるかを考えながら見ていると、ざっくりとではあるが色々と見えてくる。

前職では監査漬けのキャリアであったが、ここでは軸足は監査に置きつつ、税務から会計周辺の知識知識も武装したジェネラリストであることが求められる。もちろん監査を担当するクライアントには独立性を損なうような立場には立てない。だが監査以外のクライアントへは二人三脚となって総合的な窓口となってクライアントをサポートしたい。ジェネラリストというのは一見危険でもある。つまり、広く浅い知識にとどまって、器用貧乏のような形に陥ってしまう危険性もある。しかし一方で、これだけ専門分野が細分化され、そのどれもがますます深く複雑化していく時代にすべてを一手に引き受けるのは不可能だが、誰かがそれぞれのエキスパートをまとめて窓口とならないと、クライアントの複雑化した問題を解決することなどできない。その窓口となるプロフェッショナルは、それぞれの分野全般を理解していなければ他のエキスパートと協業できないし、また各専門サービスをクライアントのためにテイラーメードするにはクライアントの本当の問題を見抜く能力も重要だ。そしてチームをリードするにはリーダーシップやマネジメント能力は不可欠となる。つまり、真のジェネラリストは単なる広く浅くという意味ではなく、広く深く人間総合力を磨くということに他ならない。

複雑化と同時にソフトウェアや情報共有の進歩から、専門分野への特化型とジェネラリストの両極化は一層進むと思う。しかしひとつの専門分野を極めるのは今後リスクにもなってくる。これだけ時代の流れが速いと、特定の分野の陳腐化は突然始まり、あっという間に消え去ってしまうこともある。またジェネラリストも上記のようにただ広く浅い知識では器用貧乏にすぎず、クライアントの役に立つことはないだろう。『選ばれるプロフェッショナル』(ジャグディシュ・N・シース、アンドリュー・ソーベル著)で唱える「ディープジェネラリスト」を目指したい。ディープジェネラリストとはコアとなる専門性に優れつつも広く深く学習できる信頼されるアドバイザーのことである。

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